🎃ニュー・ハロウィーン・サバト👻【ULOGハロウィン企画】※追記11月1日

創作 #ULOGハロウィン
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最高ランク : 15 , 更新: 2023/11/01 7:56:05

こんばんは、記録者のハノウです。

はじめましての方ははじめまして。このサイトで拙いファンタジー創作を不定期に記録している者です。

本日は10月31日、ハロウィンですね。せっかくULOGで記録をしているということで、「ULOGハロウィン」企画に参加させていただきました。

登場人物は、普段記録している創作のキャラクターとなります。

思いの外ギリギリに完成したので、早速記載していきます。

それではどうぞ。





















時は10月の下旬。魔界の太陽の地区、魔女学校の区域内にて。
ダイアナさんが人間界へ行ってからもう2ヶ月が経って、私、ルミカは変わらず学校生活を続けていた。
魔女学校の学生として、真面目に魔術を学んでいるつもり。
…変わらず、と言っても、数年前まで自閉症で、ろくに登校なんてできていなかったけどね…
「太陽の魔女、ルミカ=アストロカ」である私は、「太陽の大魔女、英雄の大魔女、ソリエル=アストロカ」の一人娘で、それなりに…結構、嫌な注目を浴びせられた時期が存在してて。
それで、情けないことに、心が限界を迎えて、人前に出ることができなくなった時があった。

(そんな私を救ってくれたのが、お母さんとグレシア、それにダイアナさん…)

私を支えて救ってくれた人物を挙げると、真っ先に出てくるのはこの三人だ。
最強で頼りになるお母さん、いつも私を支えて守ってくれた憧れの人、とても優しくて強い先輩。
本当に、周りが良い人たちばかりで、私は幸せ者なんだと思う。
詳しくは教えてもらえなかったけど、彼女たちが何かしら助けてくれて、酷かった嫌な視線が無くなって、私は今こうして復学することができた。
でもやっぱり、まだまだ色々な点で注目を浴びることは、多い。

「ね、明日のハロウィーン・サバト、アストロカさんが司会するんだってさ!」

「え、アストロカさんって三年の?へ〜、今まで大体ティターナさんだったのにね」

いきなり頭上の空から聞こえてきたのは…ひとつ上の先輩達の声?
思わず、どくんと心臓が跳ねるような錯覚を覚えた。

(わわ、私の話題…?どうしよう、ここから不自然に離れられないし…うぅ、何か言われないかな…)

ところが、私の心配は杞憂だった。

「はぁ!?ティターナさん!?ダイアナ様でしょ!様を付けるんだよ様を!!」

「うっわ、そうだアンタ、あの人の大ファンなんだったっけ…どっちでもいいじゃん…」

空を飛んでいた二人の話はダイアナさんの話題に移ったみたいだった。
…やっぱりダイアナさんは凄いや。

「ま、でもうちらは今日早く家帰れるしラッキーだよね〜。サバトの準備って17長さん達しかやらないじゃん?わたしらが17長になれることなんか絶対無いしね〜」

「分かる。……でもさ、あの方のいないサバトなんて…あぁ、ダイアナ様…ほらあんたも復唱。ダイアナ=ティターナ様万歳。」

「いやしつこいわ。普通にティターナさんかダイアナさんでいいじゃん。仮にも元先輩だって…」

(あ……)

そうだった。動揺して一瞬忘れかけたけど、サバト…魔女集会は明日からなんだった。前回のサバトは8月1日、あの時はまだダイアナさん、いたんだっけ。
年に数回しか行われないサバトは、私達にとってはとても重要な行事。ここ、魔界のすべての魔女が集まって、魔界のこれからの事を話し合ったり、近況報告をしたりして、そして、その後は一番のお楽しみ、きらびやかなパーティーをする。それは、いつも私達がやってる17長だけ、とかの小さな集まりじゃない。
明日のハロウィーン・サバトもその一つなんだ。

(たった3ヶ月くらい前のことなのに、凄く懐かしく感じるなぁ…)

本来は私の仕事である、サバトの司会を務めていたダイアナさんを思い出す。
彼女は美麗で、知的で、実力があって…やっぱり、私なんかよりも、よっぽど司会に向いてて、リーダー性があって、凄い人だけど…それでも、明日私が「サバトの司会」っていうことは、変わらない。
最後に司会をしたのが、何年前だったか忘れちゃったくらいに前のことだけど。
でも、「17長」のトップの私は、魔女の中では頂点…その地位にいるってことは、怯えて謙遜するんじゃなくて、自信を持つことも大事なことだって、学んだんだ。

「よし、明日は…久しぶりの司会、…頑張らないと…!」







−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−







人間界では、ハロウィーンの日には仮装をして楽しむ、っていうのを聞いたことがある。
どうしてかは知らないけれど。
人間界へ修学旅行に行った五年生の先輩が言っていたのを聞いたんだ。それで、私はグレシアに聞いてみた。
グレシアは今日も彼女の家の自室で、退屈そうに頬杖をついてる。

「ねぇ、グレシア、ええと、人間界のハロウィーン、って知ってる?その、どんな感じなのか、とか…」

「…人間界のハロウィーンだと?」

私よりも数十センチ身長が低い彼女は、とても小柄で幼く見えるけど、とっても知的なんだ。きっとハロウィーンについて詳しく知ってるはず。

「お前のその質問の意図が分からない。明日のハロウィーン・サバトについての事だと言うのならば、もっと分からない。お前は以前からハロウィーン・サバトの司会のやるべき手順を知っているはずであり、人間界のハロウィーンなど全く関係の無いものだ、ということも当然知っているはずなのだから。」

「う、うぇえ、そんなに捲し立てないでよ……」

思わずゲッソリした顔をしちゃうと、グレシアは一応話を聞いてくれた。

「一応、どういう訳があったのか簡潔に、分かりやすく、納得のいくように説明してみろ。」

「ええと……サバトで、やることなら…もちろん…分かってるんだよ。でもね、ダイアナさんがいなくなって、私が代わりに、司会になったら……今まで通りのサバトじゃ、盛り上がりがイマイチになるに決まってるよね…」

「……」

「だから、いつもとは違うサバトにしたら…しかも、ハロウィーンっていう時期に、合ってるから…別の世界のハロウィーンの行事でやることを取り入れてみたら、意外性があって、盛り上がるんじゃないかって。…そ、それにね…」

グレシアは黙ったまま、私の話を最後まで聞いてくれた。

「それにね、人間界のハロウィーンって、華やかで、魔界の人たちも、好きだって言ってたから…」

「ルミカ。お前、サバトをお祭り行事か何かと勘違いしていないか?」

「うっ。」

ううーん、確かに、私の話だけだと、ただのお楽しみ会をしようとしてるみたい…かも…駄目かなぁ。

「確かに、近頃の魔界人達には活気が足りない。それは異変のせいなのだろうが、魔界の希望、月の魔女ダイアナがここにいない、ということも理由の一つだ…そして、魔界の奴らはお前の言う通り、華やかで盛り上がるものを好む。」

「う、うん。」

「しかし、サバトは本来仕来りが存在し、決まりきったもの、厳粛なものであるから、あまり盛り上がるようなものは控えるべきだ…と言いたいところだが。私は生憎、そのような仕来りに興味はない。」

「……え、じゃあ…!」

予想外のグレシアの言葉に、びっくりしながら視線を上げると。
グレシアは、本当に、本当に少しだけ、でも、私にだけ分かるくらいの微笑みを浮かべていた。

「はぁ。…私は何も反対などはしない。一度お前のやりたいようにやってみろ。」

「…!ありがとう、グレシア…!」

肩をすくめながらも、グレシアはこっちに来い、って言わんばかりに部屋の外で手招きしてる。その奥にあるのは、グレシアのお屋敷ーエリゴル家の書庫だ。
相変わらずとんでもなく広くて、数えきれない程の本が詰まってて、身長の二倍くらいの本棚が立ち並んでる場所。グレシアのお気に入りの場所の一つで、普段はなかなか入れてくれないんだよ。

「前日に大きな事を用意できるとは思えないが。まぁ、人間界の事なら書庫の本に書いてある。時間のある限り見れば良い。」

「い、いいの?ありがとう!」

グレシアは私を置いて、ささっと部屋に戻っていった。でも、グレシアの優しさが嬉しくて、ふふっと顔がほころんでしまう。

(明日のサバトが成功して…少しでも、魔界の活気が戻ったらいいなぁ……)










―――――――――――――――――――――――――――――――――









ルミカは変わった。
以前までのルミカならば、自分から率先して行事の話などする訳がなかった。
だが、ダイアナがいなくなり、そして今日、とうとう人前に立ちサバトの司会をする前の日となった。

(まぁ、本来ならば、17長のトップが司会を務める、というのが絶対の掟ではあったのだが。今までダイアナに任せてしまっていたのは、私がルミカに特別甘いということを示しているな…)

「だが、お前がいなくとも、もうルミカはやっていけそうだ、ダイアナ。」

私は人間界があるであろう、魔界の薄暗い空を仰ぎ見た。
この狭くて暗い世界から一足先に抜け出したあの「魔界の希望」は、今、何をしているのだろうか。

「グレシア!」

振り返れば、書庫から顔を覗かせてこちらを見ているルミカがいた。
ルミカは相変わらずそわそわしながら、しかし前よりも遥かにしっかりとした視線で私を見つめて、微笑みながらこう言った。

「ええと…ハッピー、ハロウィーン…!」

「…ハッピーハロウィン、ルミカ。」

……ルミカの笑顔を見ると、ほんの少し心が痛む。
願わくば、少しでも長く、この魔界に平穏が留まりー
そして、隣でルミカの笑顔を見られるように。
……なんて、私がそこまで完璧な理想を持つことのできる魔女だったら、どれだけよかったか。

「えーっと、トリック、オア、トリート…?」

「なんだルミカ。」

「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ…って意味、らしいんだけど…あはは、お菓子なんて持ってないよね…」

「無いな。ではイタズラをするといい。お前程度のイタズラなら何でも受け止めよう。ほら来い。」

「うぇえ!?い、いきなり言われてもっ…!?」

私とルミカが軽く談笑する、この空間では…
確かに、私にとって心地よさを感じるものがあった。








そして、次の日。

「…ハッピー・ハロウィーン・サバト…!皆さん、こんばんは…本日の、サバトの司会、ルミカ・アストロカです…!」

「「「「「ハッピー・ハロウィーン・サバト!!」」」」」」

魔界の堕の地区サバト会場にて、無事、新たなハロウィーン・サバトが幕を開けたのであった。





















ここまでの閲覧ありがとうございました。

初めて私の投稿を見てくださった方は、あまり内容が分からなかったと思われます。

普段はダイアナを主な主人公とした小説を書いているので、ぜひそちらも見てもらえると嬉しいです。

ルミカやグレシアが登場するのは4話、9話です。

記録投稿まとめ⇨https://ulog.u.nosv.org/item/hst2020/1683186225

次回からは引き続き、本編の続きをゆっくり記録していきます。更新をお待ち下さい。

それでは。


【追記】内容に不備があったので一部修正しました。

ハノウ


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