おれはあいつなんか大嫌いだ

おそ松さん 一松 小説
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最高ランク : 40 , 更新: 2015/11/30 1:13:43

おれが来客を迎えようとしたこと。
全ての原因はそれだと思う

「はじめまして。隣に越してきました」
玄関の扉をあければ、繕った様な、笑顔
ヘラヘラして、気色悪い。
これが、第一印象。
他の兄弟が出てきても、同じ顔でこう言った
「これからよろしくお願いします」

他の兄弟と仲良くなるのは、そう遠くなかった
というより、すぐに仲良くなった
ただおれだけ、あいつと話さなかった
話したくなかった


『一松くん、お菓子食べよ』

『一松くん、この番組面白いよ』

『一松くん、お話しようよ』

あいつは何度も何かにおれを誘った。
勿論、いつもの笑顔で。
どうせ喋らないおれをなんとかしようとか、
そんな魂胆なんだろう。
勝手に自己完結して、ずっとそいつを無視した


「どうしたら、仲良くなれるかなあ」
あいつは膝を抱え、おそ松兄さんにそう言った
兄さんは、珍しく真面目な顔だった
あいつの表情は分からず、後ろ姿だけが見えた

「ごめん、お手洗い借りるね」
すっ、と立ち上がったあいつを見て、
おれは咄嗟に隠れた
あいつはおれに気付かず、トイレの方へ向かった
いや、なんで隠れたんだ。そんな必要ないだろ
そう思い、居間に顔を出す
おそ松兄さんが、おれに話しかけた
「一松、なんであいつを避けるんだ?」

…嗚呼、やっぱりそれを聞くのか
「別に、ヘラヘラして気色悪いから」
「なら、何で俺達の方を睨むの」
「別に兄さん達の事なんて睨んでないよ」
「…そうか」
おそ松兄さんは、呆れたとでも訴える目をした
その目に、無性に腹が立った
「…あいつ、鬱陶しいんだよ」
兄さんは、少し目を見開いた
「どうせ兄さん達に媚び売ってんだろうし」
「ずっとヘラヘラしてるし」
「気持ち悪いんだよ」
「ほんっと、吐き気がする」
唖然、その言葉が似合う顔だ
「とにかく、あいつと仲良くしないから」
居間の襖を開けて、
出ていく、はずだった
あいつが、目の前にいた
いや、本当にあいつなのか疑った
だって、無表情だから

あいつはいつも笑っていた
困った時は、文字通り困った様な笑顔
怒った時も、軽く叱った後ふにゃりと情けなく。
いつも、兄弟の会話を微笑ましげに、
楽しい時、嬉しい時は、声をあげて。
そんなあいつが、無表情だった

驚くしかなかったおれを他所に、
こいつは小さく、口端を持ちあげ
「そっか」と、呟いた後、
お邪魔しましたと言い、出ていった
追いかけようとした想いは、
扉を閉じた瞬間、萎んでいった
おれは、何故かとても泣きたくなった


あの後の事は、あまり憶えていない
ただ、その数日後、あいつがやって来て
それをおれが迎えて、
初めての時の場面が、再現されたみたいだ
けれど、会話は真反対だった。
「引っ越すことになったの」
悲しそうに、また笑った





誰が何と言ってもこれは照れ隠しです
嫌いとか言って本当は好きだった
ちなみに久しぶりに版権もの。

ふうせんかづら


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